HIV検査を受けたいけれど不安〜正しい知識とセルフチェック

知っているようで知らないHIV

HIV、AIDS、どちらも一度は名前を聞いたことがありますよね。なんとなく怖いという先入観が持たれています。感染しやすく、一度かかると治らないというイメージも強い病気ですね。そのことから、「かかっているかどうか、はっきり知るのが怖い。」と考えてしまうのではないでしょうか。

 

まず、HIVとAIDSはイコールでつながるものではありません。HIVはウィルスの名前です。AIDSは、HIVウィルスに感染したのに治療しないことで発症してしまうものと考えましょう。ここで注目したいのは、「治療しない。」という点です。

 

つまり、HIVウィルスに感染したことをより早く知り、正しい治療をすることでAIDSの発症は高い確率で防げると考えられます。HIV検査は受けようと思っているけれど…と後回しにするものではありません。HIVは医療の進歩で「とにかく怖いもの。」ではなくなっているといえるでしょう。

 

むやみに怖がるのではなく、誰でもかかる可能性のある身近な病気と認識したほうがよいのです。そして、正しくHIVとAIDSを理解することがとても大切になります。ウィルスの感染をより早く知ることで、発症を防ぐ治療法がある病気ということをまず理解しましょう。

 

どんなことでHIVウィルスに感染する?

HIVについて理解するなら、感染経路についても把握しておきましょう。HIVウィルスの大前提は、体内でのみ生きられるという点です。空気や水の中ではその感染力はなくなってしまいます。

 

HIVウィルスが含まれているのは、血液・精液・膣分泌液・母乳です。尿や便の接触は感染につながりません。感染しない原因(トイレやお風呂の共有、つり革や手すりを持つなど)を知っておきましょう。

 

主な感染経路としては性行為(日本国内で最も多いものです。)、血液、母子感染が挙げられます。性行為では、粘膜や傷口からウィルスが血液内に侵入することが感染の原因となるのです。

 

血液感染は、麻薬や覚せい剤を回し打ちするなど、針を使いまわすことで起こるケースが多くなっています。またドラッグと性行為は一体と言ってもよいでしょう。ドラッグによって前後不覚になり、コンドームを使用しない無防備な状態の性行為からも感染の恐れがあるのです。他に血液感染では、輸血によるものもあります。輸血は検査されていることは明らかな事実です。ですが、チェックをすり抜ける期間がどうしても発生します。検査代わりに輸血をするようなことは絶対にやめましょう。

 

母子感染に関しては、きちんと対策がとられます。妊婦健診でHIVの感染が判明すると、赤ちゃんにはうつらないように治療を受けるのです。また近年では、HIVに感染している男性が、子どもを持てる人工授精なども可能になっています。HIV感染の正しい経路を知っておくと、予防になるだけでなく、不安がある時により早く検査を受けられることにつながるでしょう。

 

疑いがあればHIV検査を受けるべき

HIVの感染を知る方法は、検査しかありません。かかった病気、症状などから疑いを持つことがあっても、確証とはならないのです。少しでも早く感染を知ることで、適切な治療をすぐにスタートできるでしょう。それには検査が第一となります。

 

HIVの検査は保健所で無料・匿名で受けられるようになっています。ただ、完全予約制ですし、検査に対応している時間帯なども、いつでもというわけにはいきません。気になりながらも仕事の都合などで、なかなか簡単に行ける状況ではないという方も多いはずです。また、無料や匿名であっても、やはり行きにくさを感じますよね。結果を知るのが怖いことからも、先延ばししてしまっている状態ではないでしょうか。

 

HIVに感染したかもしれない行動をとった場合は、検査を受けるべきです。保健所などに行く勇気がない時には、検査キットを利用してみましょう。どこにも行かずに自己採取・自己診断するもの、自己採取後郵送で返送しネットで結果を確認するものなど、いくつか種類があります。誰にも会うことなく、感染を確認する方法ですから、気になる方はすぐに試してみましょう。

 

HIV検査で注意しておきたいこと

一刻も早く検査を受けることが、HIV感染を知るためには肝心ということです。HIV検査で、セルフチェックタイプのものを選ぶ際に注意しておきたいのは以下の点です。

 

ウインドウピリオドがある

HIV感染の疑いがある行動をとった直後に検査しても、検査結果が陰性となることがあります。HIVに対する抗体が、血液中で検出されるようになる期間は約4週間です。この期間を待ってから検査をしましょう。また、4週間経ってから検査キットなどを使用して、陰性と出れば100%感染していないというわけではありません。抗体のできる期間には個人差があるものです。一旦陰性の結果が出た方も、3ヶ月以上経ってから再度検査をしたほうがよいでしょう。

 

性感染症検査も同時に受ける

一部の保健所では、梅毒やクラミジアなどの検査も同時に行なえるようになっています。自己検査キットでも、HIV以外の性感染症も併せて検査できるものがありますね。これは、重複感染によって症状が重症化してしまうなどの恐れがあるからです。また性感染症に感染していると、HIV感染のリスクは5倍も高くなるといわれています。感染ルートが同じということを考えると、どれか一つの感染症にかかっていると、他の感染症にもかかっている恐れは高いわけです。

 

確定検査をする

検査キットを使用したチェックは、あくまでもスクリーニングによるものです。陽性判定となった場合は、確定検査を受ける必要があるでしょう。検査キットを取り扱っている会社から、確定検査への案内など指示があります。また、適切な医療機関の紹介や、相談などを行っているキットメーカーも見つかります。

 

確定検査待ちでの不安に対応する

最初のスクリーニング検査は、感染の可能性が少しでもあれば陽性が出てしまいます。しかし陽性が出た方の一部は偽陽性とよばれ、本当は陰性の方なのです。妊婦の方なら偽陽性が出やすいといったデータもあり、陽性の結果が出ても必ずHIVに感染しているというわけではありません。確かに陽性といわれると、不安が渦巻いてしまいます。しかし、確定検査の結果が出るまで確証はありません。パニックになったり、過剰に心配しすぎたりしないようにしましょう。

 

HIV検査のセルフチェッカーは、早期発見のために使用するものです。セルフチェックによる検査は、自分だけでなく周囲の方のためにも必要なことでしょう。もちろん感染の不安を感じながら生活するのではなく、安心感を得るためにも利用できます。現在日本では、AIDSを発症してからHIVの感染に気付くという方が増加しているのです。自分でできる検査で、感染を知ることは言うまでもなく重要なことになります。